2009年2月7日土曜日

2009年2月7日(土) サブプライムローン

Wall Street
最近気になること。やっぱり経済ニュースでしょうか。本当に毎日のように赤字決算や経営破たんといった文字が新聞やテレビで幅を利かせています。赤字決算といえば、日立の7000億円、NECの2900億円、トヨタの3500億円(1950年以来とのこと!)という具合に、赤字額の桁もさることながら、主だった一流企業が軒並みといった感じです。特に自動車メーカーは次々と広告塔ともいえるモータースポーツから撤退していますが、それだけこのサブプライムローン問題に端を発した不況が深刻なのでしょう。
 
それから、内定者取り消しで話題となった日本綜合地所は、結局経営破たんしましたね。知人がレイディアントシティ横濱(日本綜合地所がディベロッパー)に住んでいますので、経営再建の行く末が気になるところです。
 
この不況は何が原因なのかはよくわかりませんが、結局目先の利益を追い求めた結果がこういう状況を生んだのだと思います。今更ではありますが、サブプライムローンに関して、日本在外企業協会の月刊誌「月間グローバル経営」にわかりやすく解説されていたので、引用させていただきますと、、、「サブプライムローンは、返済能力が決して高くない家計に対して、貸し倒れることを承知の上で高価な住宅を購入する資金を銀行が融資したもの」とあります。
 
ではなぜサブプライムローンと呼ばれているかというと、「返済能力の高い借り手に適用されるプライムレートに比べて、かなり高いレート(サブプライムレート)が適用される」からなのですが、そもそもなぜ銀行は貸し倒れることを承知で融資したのでしょうか?
 
実はサブプライムローンによる貸し出しは、通常20~30%の割合で、数年のうちに返済不能に陥る可能性が高いのだそうです。ところが当時の米国における住宅市場が堅調であったために、ローンがたとえ貸し倒れても、その担保となっている住宅物件を競売に出せば、元本を十分に(場合によっては十二分に)回収することができたからなんです。(銀行もそう言って返済能力が決して高くない家計に家を売っていたのだそうです)
 
思うに、そこに目をつけた誰かがそのローンを証券化して、(まやかしの)安全な金融商品として売り出したのでしょうね。実際、住宅価格は2000年1月を100とすると、ピークとされる2006年6月は226にまで上昇していたのだそうです。でも、「奢れる者は久しからず」とはよくいったものです。結局、2007年には住宅価格が値を下げ、元本回収率も大きく低下。結果として、安全とされていたサブプライムローン関連の金融商品は暴落したのです。
 
先日、NHKスペシャルを見たのですが、自動車も似たようなまやかしで(個人の支払い能力を調べもせず)返済能力が決して高くない方々に売りまくっていたみたいですね。その元凶は、GMの金融子会社であるGMAC!その結果、年間に販売された自動車の実に7台に1台が差し押さえられているのだそうです。番組では、さながら自動車泥棒といった感じで差し押さえの現場を取材していましたが、これが現実とすれば、恐ろしいことです。
 
ちなみに日本でサブプライムローンを使っている人はいません。これはアメリカにしかないローンだからです。でも、アメリカで起きた出来事が、結果的に、日本を含め、世界中の株の値段を下げてしまいました。その結果、上述の赤字決算や経営破たんといった状況をもたらしているのです。はた迷惑な話かもしれませんが、世界は国境を超えて、お金でつながっている証拠ともいえます。そして、それが現実なのです。企業経営者のやり場のない怒りが目に浮かぶようです。(パパペライザーも怒ってますが)いずれにしても、この事態が収束するのはかなり時間がかかりそうです。

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