サブプライムローンに端を発した金融危機、アメリカのブッシュ政権は総額最大約7千億ドル(約75兆円)の不良資産の買い取りを想定した金融危機対策を進めているんだとか。株価急落の危険性を抱える金融市場の先行き不安を抑える狙いということですが、どれほどの効果があるのでしょうね。公的資金を注入されたFannie Mae(Federal National Mortgage Association)(連邦住宅抵当金庫) やFreddie Mac(Federal Home Loan Mortgage Corporation)(連邦住宅貸付抵当公社) といった政府系住宅金融機関にしたって、Bear Stearns(公的資金注入時アメリカ5位の証券会社)にしたって、AIG(米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ)にしたって、一度経営危機が表面化した金融機関へは消費者もなかなか手を出せないでしょうからね。
ところで話は一転しますが、最近の食品汚染の報道、ほとんど毎日のように新しい何かが発覚していますね。年初から高濃度農薬入りの餃子事件、事故米の転売問題など、枚挙に暇がありません。なかでもパパペライザーが気になっているのは、中国で問題になっているメラミン入り乳製品の問題です。1社ではなく、中国の乳製品加工業者の2割がメラミンを入れていたということで、そのあまりの汚染範囲の広さに驚愕しています。しかも、飲み続けることで健康被害が出てしまう。ちょっとした食中毒であれば、嘔吐によりその毒物は体外へ出され、命にも別状なく済むのでしょうが、今回のものは、長期にわたって体内に蓄積し、後になってから健康問題を引き起こす。即効性がないだけに、発見も遅れ、大きな問題に発展したともいえます。
ところでこのメラミン、なんなのでしょうか?「有機化合物で、構造の中心にトリアジン環を持つ有機窒素化合物の一種。ホルムアルデヒドとともに、メラミン樹脂の主原料とされる。」という説明はさておき、この物質そのものにはほとんど毒性はないのだそうです。では、何が問題になっているかというと、メラミンがシアヌル酸と特定の条件下で化学反応することによって結晶が生じ、これにより腎臓の機能が阻害されてしまうのが問題なんだそうです。腎臓結石の患者が出ているのはそのためです。で、このメラミンは、何のために乳製品に混ぜられたのか?実は、乳製品を水で薄めて量を水増しする(!?)際に、品質検査時のタンパク質量を多く見せかけるために使用されているのだとか。中国の大手乳製品メーカー「三鹿集団」やオリンピック公式スポンサーの伊利も加害者だったそうで、中国国内の消費者もこの事件を受けて、海外製品の購入に殺到しているとか。実際、中国本土から香港への買出し客が急増して、販売制限をしているくらいなんだそうです。
ちなみにシアヌル酸ってどこから来たのでしょうね。これがどうもよくわからないのです。メラミンそのものが粗悪品で、シアヌル酸が混じっていたという記事もあったのですが、いまいち信憑性に欠けていて、ネットを調べてもなかなかそのあたりに言及した記事が見当たりません。
いずれにしても、こういった食品問題は命に関わる問題ですから、対岸の火事と言う意識は捨てて、注意深く報道等に注目しながら可能な限り自己防衛していくしかないでしょう。事故米の転売問題も、大きな健康被害の問題に発展していないとはいっても、基準値を上回るメタミドホスが検出されたのは事実であって、いつメラミン入り乳製品のような(後から健康被害が出てくる)問題を引き起こすかはわかりません。思うに、こういった表面に出ている食品問題はきっと氷山の一角なんでしょうね。食品業界の闇は、洋の東西を問わず、底なしなのかもしれません。
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